そんな中(なか)、よしえ虫(むし)は 世間(せけん)が どのようになっているのか 視察(しさつ)するために、おごと温泉(おんせん)へ 出(で)かけた。
よしえ虫(むし)は ほとんど 乗り物(のりもの)で 出(で)かけないので、電車(でんしゃ)や バスが どうなっているのか あまりわからない。
バースデー招待券(しょうたいけん)も あるし、会員証(かいいんしょう)の 更新(こうしん)もあるし、思い切(おもい き)って 行(い)ってみた。
本来(ほんらい)は、GRさんと『Wバースデー・パーティー』の 予定(よてい)を していたのだが、GRさんは 両親(りょうしん)の 激(はげ)しい反対(はんたい)にあい、行(い)けなくなってしまった。
いつも通(どお)りに 9:50の 送迎(そうげい)バスに 乗(の)ると、客(きゃく)が 3人(さんにん)、あとは 出勤(しゅっきん)する スタッフばかりだった。
こんな ことは、今(いま)まで なかった。
だいたい 満席(まんせき)になって、2往復(におうふく)することだって あったのに…
10:00の 開館時(かいかんじ)には、いつも 外(そと)まで 行列(ぎょうれつ)が できるのに、今日(きょう)は エントランスから はみ出(で)ている人(ひと)は いなかった。
フロントにも 並(なら)ばないで 入館手続(にゅうかんてつづき)を 済(す)ませた。
浴場(よくじょう)も ガラガラで、時間(じかん)が たっても 人(ひと)が 増(ふ)える 気配(けはい)はなかった。
よしえ虫(むし)は 露天風呂(ろてんぶろ)を ほぼ 貸し切り状態(かしきり じょうたい)で 浸(つ)かっていた。
流(なが)れる雲(くも)を 見上(みあ)げて、雪(ゆき)が 舞い降(まい お)りてくるのを 心待(こころま)ちにしていた。
しかし、下界(げかい)に 達(たっ)する前(まえ)に 溶(と)けてしまい、なかなか 降(お)りてこない。
かろうじて 霙(みぞれ)が 落(お)ちてきた 程度(ていど)だった。
マッサージチェアに 乗(の)って、体(からだ)を ほぐしてから 一人(ひとり)カラオケへ。
めずらしく、隣(となり)の 部屋(へや)でも 歌(うた)っているようで、時折(ときおり) 音(おと)が 重(かさ)なってしまい、歌(うた)いにくかった。
しかし、2時間(にじかん) 叫(さけ)んだおかげで すっきりした。
16:00 晩酌(ばんしゃく)の ために いつもの 和食処(わしょくどころ)へ。
すると、スタッフの Nさんが 復帰(ふっき)していた!


N「先生(せんせい) ひさしぶり〜







話(はなし)によると、ここで 仕事中(しごとちゅう)に 骨折(こっせつ)したが 気(き)づかずに そのまま 1か月(いっかげつ)ほど 働(はたら)き 続(つづ)けたという。
そのうち、咳(せき)が 出(で)はじめたので、風邪(かぜ)かと 思(おも)って 内科(ないか)を 受診(じゅしん)したそうである。
しかし、一向(いっこう)に 回復(かいふく)する 気配(けはい)もない上(うえ)に、胸(むね)が 痛(いた)みだしたので レントゲンを 撮(と)ったら 骨折(こっせつ)が 見(み)つかった とのことであった。
N「でもなぁ、労災(ろうさい)が おりたから たすかったよ〜



N「もう、なんともない





いつものように、たくさん食(た)べて たくさん飲(の)んで、本(ほん)を読(よ)んで、だらだら 過(す)ごした。
けれども、お客(きゃく)さんは パラパラとしか 来訪(らいほう)しなかった。
いつもの 活気(かっき)よ

